第4回 通常総会 会長挨拶(2002年6月号)
平成14年6月6日
全国地ビール醸造者協議会
会長 宮下 附一竜
本日はJBA(全国地ビール醸造者協議会)の第四回通常総会に、全国各地よりお集まりいただき誠にありがとうございます。 JBAも平成11年3月9日に設立され、丸三年を経過し、本総会が第四回目の総会になります。
この間、私はJBAの会長として微力ながら懸命に努力してきたつもりではありますが、地ビール業界の置かれた環境は年々厳しいものとなり、多くの仲間を失いつつありますことは誠に残念でたまりません。
さて、当面するJBAの大きな課題は、第一には現在検討されている酒税制度の抜本的改正にあわせて、地ビール製造者に対する減税の実現を勝ち取ることであります。 本年度のテーマを「決戦のとき来たれり」といたしましたが、まさにこの秋が減税実現のラスト・チャンスと考えております。
課題の第二は、独立行政法人酒類総合研究所のご協力を得て、「第二回ジャパン・ビア・グランプリ」の開催をめざし、結果として地ビールの品質の向上をはかることだと考えています。
ところで、JBA(全国地ビール醸造者協議会)の活動の意義はどこにあるのでしょうか。
今から約二千五百年前の中国、春秋時代の終り頃に書き残された「孫子の兵法」の中で、孫子は次のように言っています。
「善く戦う者は、これを勢に求めて人にもとめず。故によく人をえらびて、勢に任(にん)ぜしむ。」 勢とは勢いにのるということです。 「これを勢に求めて人にもとめず」とは、名将軍は個人の働きよりも、集団の勢いによって勝ちを得ようとする、組織を勢いのせよという意味です。 「故によく人をえらびて、勢に任ぜしむ」とは、組織を勢いにのせるためには威勢のよいひとを選びなさいということです。
私はJBAの活動の意義は「経営資源の少ない、小規模な地ビール製造者が、お互いに力をあわせ協力して、全体として孫子のいう「勢(せい)」、勢いをもとめていくこと」にあると考えています。
終りに当たり、本日ご多用の中ご出席いただきましたご来賓の皆さまに厚くお礼申し上げます。 また、会員、賛助会員の皆さまには、本総会が意義深いものになりますようにご協力をお願い申し上げまして、はなはだ簡単ですが、私の開会のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。