中国訪問記(2002年4月号)
宮下酒造株式会社
社長 宮下 附一竜
3月の中旬、中国広東省広州、珠海を訪問する機会がありました。 中国訪問は十数年振りで、前回は紹興酒の見学に行きました。その時と変わり様ははげしく、変化に驚きました。 りっぱな高速道路ができ、たくさんの自動車が走り、人々の服装はカラフルになり、明るい表情でした。 改革開放政策は現在のところ成功しているように思われます。
ところで、珠海のホテルのレストランで日本酒を飲みましたが、天津で作られた純米吟醸酒「朝香」という中国産の清酒でした。 このお酒は、奈良県の中谷酒造が十年ほど前から中国で生産しているとのことでした。 味は、すっきりとした、辛口の酒でおいしく飲めました。 中国産の安い米と、安い人件費でこのような品質の清酒がどんどん作られ、安い価格で日本に輸出されるようになれば大変な脅威になることはまちがいないと思われます。
ビールは珠海にキリンの工場があるということで、中国産一番搾りを飲みました。 味は少し甘く感じました。 青島ビールも同じように少し甘味が残りました。 人口の多い中国は、アメリカを抜いて世界一のビールの消費国になり、これからも経済発展と共に、ビールの消費量は増えていくことだと思います。 (ちなみに、2000年におけるビールの総消費量はアメリカが2,318万klであり、中国は2、203万kl、日本は710万klとなっています。)