地ビール業界の行く末(2000年12月号)
全国地ビール醸造者協議会
会長 宮下 附一竜
地ビールは1994年4月に最低製造数量を2000KLから60KLに引き下げるという規制緩和によって生まれました。 2000年8月末で259場の醸造所が全国にできましたが、現在では新規参入のペースはダウンしています。 この地ビール醸造者130社が集まり、1999年3月に結成したのが、全国地ビール醸造者協議会(JBA)です。 詳しいことは、ホームページ(http://www.beer.gr.jp/)をご覧ください。
今、私は初代のJBAの会長を勤めさしていただいておりますが、地ビールの魅力を出来るだけ多くの人に知っていただき、 日本に多様で、豊かなビール文化の花を咲かせたいものだと考えています。 そのために、本年10月には「ジャパン・ビア・グランプリ2000」を開催し、地ビールの品質の向上に力を入れています。 これは、世界のビールをリードするドイツ(ミュンヘン工科大学)の技術監修のもとに、ビールの官能審査の能力を向上させようというものです。 また、同時に開催いたしました「全国の地ビールを楽しむ会」はとても好評でした。
ところで、地ビール業界の行く末の話ですが、確かに今日地ビールのブームは去り、経営上大変厳しい現状ですが、私は決して悲観的ではありません。 昨年アメリカの地ビール事情視察に行きましたが、アメリカでは経済の好調に伴い、地ビールも第二次ブームを迎えとても活況を呈していました。
世界の多くの国々においてみられている、多様で、個性のあるビール文化を定着させようという地ビールの流れは、日本においても同じく止めることはできないと確信しているからです。 もちろん、そのためには、私たちが消費者の皆さんのご理解を得るために懸命の努力を継続することが前提になります。 どうぞ、どのようなことでもかまいませんのでご意見をお聞かせください。 今後とも地ビールにご支援、ご協力を心よりお願い申しあげます。