岡山・政令指定都市記念酒のご案内(2008年8月号)

宮下酒造株式会社
社長 宮下附一竜

 岡山市は平成二一年四月政令指定都市に移行します。政令市に移行することは、岡山市が大都市の仲間入りをすることになり、誠に慶賀に堪えません。

 そこで、弊社では、岡山市の政令指定都市移行をお祝いして、記念酒を発売することにしました。記念酒は、日本酒「備前児島酒」と本格焼酎「岡山物語」の二本入りセットです。

 「備前児島酒」は、戦国大名宇喜多秀家が、一五九〇年に岡山城の新築と城下町の整備に着手した頃、児島諸白として京において有名であったお酒を復元しようとしたものです。児島諸白の中心地は、現在の岡山市郡でしたが、一五九五年秀家は、郡の酒屋を岡山城下に移転するように命じ、城下町の整備を図りました。岡山市の城下町の原型はこの頃できあがったといえます。

 ところで、「備前児島酒」とはどのようなお酒だったのでしょうか。

 「児島酒」に関する資料は残っていませんが、当時の酒造技術についての資料としては、「御酒之日記」(佐竹文書)と「多聞院日記」があり、これらの資料を基に「備前児島酒」を復元することに挑戦いたしました。

 出来上がった「備前児島酒」の味わいは、麹歩合が三三%と高く(現在は二〇%)、汲水歩合が七八%と低い(現在は一二〇%)ため、米のアミノ酸が多く、濃厚な味わいとなっています。また、二段仕込により(現在は三段仕込)酸味が高くなり、酸が濃厚な味わいにアクセントとなり、味わいのバランスをとっています。お米は岡山産雄町米を精米歩合六〇%と高精白にしていますが、当時の精白は十%以下であった点が大きく異なっています。

 本格焼酎「岡山物語」についてですが、奇しくも焼酎という蒸留酒が現れたのが戦国の世でした。焼酎の製法の伝来については、一四世紀頃シャム国から、沖縄へ伝来したというのが定説となっています。一六世紀頃琉球の泡盛が鹿児島へ上陸し、さらに北上して宮崎、球磨などへ伝播したといわれており、当時の南九州ではお米は貴重な穀類であったため、雑穀を主体とする焼酎が定着していったと考えられます。さつまいもが中国より渡って来たのは一七世紀に入ってからのことです。

 本格焼酎「岡山物語」はお米から造られた米焼酎です。アルコール分は三五度と高く、シェリー樽で長期熟成させたとてもまろやかな焼酎です。

 岡山市の政令指定都市移行をお祝いし、みなさまによろしくご愛顧いただけますようにお願い申し上げ、「備前児島酒」と本格焼酎「岡山物語」のご案内とさせていただきます。

岡山・政令指定都市記念酒

岡山・政令指定都市記念酒

 岡山・政令指定都市記念酒の備前児島酒・岡山物語のセットは10月頃の発売を予定しています。限定800セットでの発売です。

«
»