岡山小売酒販組合 総会挨拶(2004年6月号)

平成16年5月30日

宮下酒造株式会社
社長 宮下附一竜

 本日は、第51回岡山小売酒販組合の通常総会並びに第26回岡山酒販協同組合の通常総会が、かくも盛大に開催され、滞りなく審議が終了されましたことをまずもってお慶び申し上げます。

 また、常日頃は岡山酒造組合に対しまして、格別のお引き立てにあずかり、高い席からでございますが、厚くお礼申し上げます。

 さて、皆様ご案内のとおり、「酒造組合」と「酒販組合」は、昭和28年に制定されました「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」に基づいて作られております。このいわゆる「酒類業組合法」の目的は第一条に書かれていますが、「酒税が国税収入のうちにおいて占める地位にかんがみ、酒税の保全及び酒類業界安定のため、酒類業者が組合を設立する」と書かれています。

 ところで、酒税の国税に占める地位ですが、平成16年度の予算額においては酒税額約1兆6千億、国税収入の3.6%となっています。昭和28年頃においては国税の約18%を占め、今日の消費税が9兆5千億で21、6%を占めていますので、その地位は今日の消費税に匹敵することほどの高さであったことが分かります。

 また、今後消費税が引き上げられるとすれば、一層酒税の地位は低下し、酒税そのものの必要性が問われることになり、政府の酒類行政への係りはどんどん後退していき、市場主義による自由競争がより一層激しくなっていくように思われます。

 こうした政府の酒類行政への係りの後退と市場主義の浸透という大きな流れの変化によって、「酒類業組合法」の性格も大きく変わって行く状況になりつつあると思います。

 岡山県の「酒造組合」においてもその運営は財政的問題のみならず、組合活動そのもののあり方が問われており、当面して岡山県酒造組合への一本化などが議論されております。

 そしてまた、貴岡山小売酒販組合におかれましても、私たちと同じような環境の変化によってその運営が難しくなってきているのではないかと思われますが、新しく就任された多田理事長を中心に団結され、この難局を乗り切っていかれることを心より願っております。

 最後になりましたが、本日ご参加された皆様のご繁栄とご発展を心よりお祈り申し上げ、今後ともご指導賜りますようにお願い申し上げまして御祝のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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