高めよう、広めよう岡山の酒(2003年8月号)

宮下酒造株式会社
社長 宮下附一竜

 この夏で、「岡山県産酒の再生戦略」を実行に移して、3年目を迎えることになりました。 この2年間に、当初考えられたいろいろな事業を実施してきましたが、3年目を迎えるにあたり、今までの事業を見直し、「選択と集中」によって今後の主な事業の方向性を決めていくことが大切だと考えるようになりました。

 そこで、第一には、この事業のコア部分としては雄町米純米酒を全面に押し出すことによって、地域ブランドとして、「岡山の酒」のブランド力を高めることにあると考えます。 岡山の酒といえば、酒造好適米の雄町米を使用した、芳醇でおいしいお酒であるという好イメージを連想してもらえるようにすることです。

 第二には、この雄町米純米酒をおいしい酒としてのみ売り出すのでなく、岡山特産のおいしい魚や農産物と一緒になってPRしていくことが必要であると考えます。 今岡山商工会議所では、「さわら」を熱心にPRしていますが、このさわら料理を一層おいしくするのは雄町米純米酒であると合わせてPRしていきたいと思います。 また、JAの進めている地産地消とも提携していきたいと考えます。岡山を訪れる観光客の皆様に「岡山の料理とお酒のコラボレイション(協力)」によって喜んでもらいたいという考え方です。 その他にも、観光地の接客サービスの向上(例えば、料飲店などのお酒を取り扱う方々に岡山の酒の知識を持ってもらうことなど)、また、岡山の酒の歴史や文化について関心を持ってもらえるようにすることを通じて「岡山」という地域のブランド化とともに「岡山の酒」のブランド力を高め、広めていくことも必要ではないかと思います。

 第三には、インターネットを利用して岡山県産酒の愛好家とのコミュニケーションをとり、一人一人ファンを増やしていくことも大事であると思います。

 第四には、なんといっても人材の育成であります。若い社員の皆さんに技術を継承していただき、高い志を持って酒造りに取り組んでいただけるように、いままでどおりに勉強会を続けていきたいと考えます。

 以上、3年目を迎える再生戦略の今後の展開について、簡単に私の考え方を述べさせていただきました。皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。

«
»