お酒の種類についてその1(2002年8月)
宮下酒造株式会社 企画研究部
お酒についてより理解を深めていただくために、今月はお酒の種類についてまとめてみたいと思います。お酒にはどんな種類のものがあるのでしょうか。
まず、お酒の定義をお示ししたいと思います。 お酒とは、(エチル)アルコールを1%(度)以上含む嗜好性で、かつ致酔性の飲料と定義され、産地、原料、製法などの異なる数多くの種類があります。
酒類を製造方法で分類しますと、①醸造酒、②蒸留酒、③混成酒に分類することができます。
1.醸造酒
醸造酒は原料をそのまま、あるいは糖化してアルコール発酵させて造った酒をいい、通常は発酵液を濾過して製品にしています。 これには清酒、ビール、果実酒(ワイン)が該当し、特徴としてはアルコール分が低~中(約3~20%)で、エキス分は中~多いものです。 弊社の製品でいえば「清酒・極聖(きわみひじり)」と「地ビール・独歩(どっぽ)」が当てはまります。
2.蒸留酒
蒸留酒は醸造酒を蒸留して造ったものをいい、蒸留液を樽に貯蔵して熟成させたり、香料植物で香りをつけて製品にしたりすることもあります。 これには焼酎(甲類、乙類)、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ(ウオッカ、ジン、ラムなど)が該当し、特徴としてはアルコール分が高く(約20~44%、それ以上)、エキス分は少ないものです。 弊社の製品でいえば「本格米焼酎・男の勲章、吉備王国」が当てはまります。
3.混成酒
混成酒は蒸留酒に植物の花、葉、根、果実などを浸して、その香りや味や色素を抽出し、さらに糖や有機酸や色素などを加えて造った酒をいい、わが国伝来の屠蘇(とそ)酒*や弊社の新製品「梅酒・早春」なども混成酒の一種です。 混成酒にはリキュール(梅酒など)、甘味果実酒、合成清酒、みりん、雑酒(発泡酒など)が該当し、特徴としてはアルコール分が中~高(約5~44%)で、エキス分は多いものです。
下線を引きました酒類につきましては来月詳しくまとめたいと思います。
*屠蘇酒とは正月、年頭に当たって向こう一年間の邪気を払い、延命を願って飲まれる薬酒ことです。
参考文献
酒販店経営通信講座テキスト<2>