「地産地消運動」について(2002年12月号)
岡山県酒造組合連合会
会長 宮下附一竜
「地産地消」という言葉をお聞きになったことがありますか?
「地産地消運動」とは「地域で生産されたものは、地域で消費しよう」という運動です。なぜこのようなことが言われだしたのでしょうか。
昔から私たちは地元で栽培された野菜や穀物を新鮮なうちに食べるのが当たりまえでしたが、最近では「グローバリゼーション」ということで「食」と「農」の距離がだんだんと拡大してきました。 そのためいろいろな深刻な問題が起こっています。
現在の日本の食料自給率は約40%で、欧米先進国に比較してもっとも低いそうですが、私は、価格が安いからといって、多くの食料を外国に依存しようとしている日本の食料政策は、農村の活力を低下させ、日本の農業を疲弊させている原因だと思います。
例えば中国から多くの野菜が輸入されていますが、その野菜から残留農薬が見つかり、中国産野菜の安全性が大きな問題になっています。
このような環境の中から、農家と消費者の距離を近づけ、安全で安心な食料を確保し、「旬産旬消」新鮮なものを食べよう、そして日本の伝統的食材や料理を見直そうという「地産地消」運動が起こってきたのだと思います。
また、イタリアやフランスにおいては、ファストフードに反対した「スローフード運動」が起こっているそうですが、伝統的な食材や料理を見直そうというこのスローフード運動も「地産地消運動」と同じ問題意識を持っていると思います。
ところで、地元のお米を使って造られる岡山の地酒の消費拡大を目標にしている岡山県酒造組合連合会も、こうした「地産地消」運動に我が意を得たりと賛同し、共に手をとりあってより一層この運動を推進して行きたいものだと考え、「岡山県地産地消推進会議」に加入いたしました。
みなさまにもこの運動にご理解、ご協力をお願い申し上げます。