2009年04月18日土曜日 朝日新聞 こよい 夢二の酒で酔って 岡山の宮下酒造 生誕125年で記念の大吟醸
岡山に生まれた画家・詩人の竹久夢二の生誕125周年を記念し、岡山市中区西川原の宮下酒造が「雄町米純米大吟醸 夢二宵待草」を発売した。使った米は岡山県産の雄町米、ラベルデザインは岡山市出身のデザイナー水戸岡鋭治さん=東京在住=と、地元生まれでそろえた逸品だ。
夢二は1884(明治17)年、現在の瀬戸内市邑久町に生まれた。
同酒造の宮下附一竜社長(62)と、夢二郷土美術館(岡山市中区浜2丁目)の学芸員が昨秋、「125周年に何かできるのでは」と話し合い、企画が生まれた。同酒造は以前から夢二の絵をラベルに使った純米吟醸酒「夢二旅情」を販売している。
「夢二宵待草」のラベルには、夢二画集夏の巻のカバーに使われている絵を使用。同館の仲介で、九州新幹線「つばめ」や岡山電気軌道の社長「MOMO」の外装デザインなどを手がけた水戸岡さんにラベルデザインを依頼し、よく知られた宵待草の歌詞「まてど暮せど来ぬ人を……」を夢二の直筆であしらってもらった。
また、酒は、精米歩合45%の雄町米100%で仕込み、大吟醸特有の香りのよさと、雄町米特有のこくが楽しめるという。
300ミリリットル入り1050円。同館のミュージアムショップや県内の主要土産物店などで販売している。