日本酒業界

「岡山県産酒の再生戦略」を終えて(2007年8月号)

宮下酒造株式会社
社長 宮下附一竜

  1. はじめに
    「岡山県産酒の再生戦略」は、平成13年7月より第一次、第二次と6年間にわたり展開してまいりましたが、平成19年6月をもって終了いたしました。この間の主な事業を振り返るとともに簡単ではありますが報告書とさせていただきます。ご協力いただきました皆様に厚くお礼申し上げます。
  2. 現況について
    1. 製造場数の推移
      平成12年81場 ―――>平成19年6月59場  -25%
    2. 製造数量
      平成12年度8,939kl―――>平成17年度5,202kl   -42%
    3. 課税移出数量
      平成12年度8,076kl―――>平成17年度5,247kl   -35%
    4. 県産酒割合
      平成12年度30,9%―――>平成17年度27,6% -11%
  3. 再生戦略の目指したもの
    1. 商品開発事業
      1. ブランド力の強化事業
        雄町米純米酒による県産酒のブランド力の強化
      2. 新商品開発事業
        リキュール等の商品開発
    2. マーケティング事業
      1. 岡山県新酒鑑評会の実施
        岡山県との提携の強化
      2. 米まつり岡山に参加
        全農岡山県本部との提携強化
      3. 「うまさ発見!まるごと岡山の酒」等イベントの開催
        地酒ファン層の開拓
      4. 日本酒で乾杯推進会議岡山大会の開催
        日本酒での乾杯運動の推進
      5. 地酒応援グループのネットワーク化
      6. 海外市場開拓の調査研究
      7. ラジオ番組「時のひと・おかやまの酒」の提供
    3. 人材育成事業
      1. 技術情報の提供や講習
        夏期酒造大学、酒造講話会、きき酒研修会
      2. 流通チャネル対応研究会等の勉強会
    4. 組合組織の改編
      1. 酒造組合の土地・事務所の売却
      2. 岡山県酒造組合の設立(平成18年7月3日)
      3. 組合事務所の移転(平成21年9月30日までに)
  4. まとめ
    日本酒業界のおかれた現状が危機的状況にあるとの認識のもと、何らかの活路を求めていろいろな事業を懸命に展開してきたと思う。しかし、業界への逆風は我々の力ではいかんともしがたく、数字として確たるものを残せなかったことは誠に残念である。今後の組合活動のあり方については、「小さな組合」のもと経費の節減の努める時代が来ているように思われる。この大きな転換点にあたり、組合運営についてみんなで議論し、結論を出していくことが肝要であろう。

清酒業界におけるターンアラウンド戦略(2006年7月号)

宮下酒造株式会社
社長 宮下附一竜

1.はじめに
酒税制度の改正も行われ、清酒の需要も下げ止まる様子をみせる今日の次なる課題は、日本酒業界の再生を図るための長期戦略の構築にあると思う。そのためのたたき台として私の考えを提案してみたい。


“清酒業界におけるターンアラウンド戦略(2006年7月号)” の詳細は »