大伴旅人と吉備の酒(2014年3月号)
宮下酒造株式会社
社長 宮下附一竜
大伴旅人は万葉集の中に「酒を讃むるの歌13首」を詠んでいますが、その中に「酒の名を 聖と負せし 古の 大き聖の 言のよろしさ 3-339」という歌があり、弊社の酒名にある「極聖」はこの歌からとっています。また、他に「験(しるし)なき 物を思はずは 一坏(ひとつき)の 濁れる酒を 飲むべくあるらし 3-338」(考えても仕方がない物思いをしないで、一杯の濁り酒を飲むのがよいらしい)と詠んでおり、奈良時代には一般的には濁り酒を飲んでいたようですが、清酒(すみざけ)もあったようです。