雄町米を極限精米した酒造りの歴史
雄町米は岡山県特産の酒造好適米で酒米のルーツといわれており、大粒で心白が球状で大きいため、胴割れしやすく、精米歩合40%前後までしか原形精白はできませんでした。しかし、技術革新による最新鋭の精米機と精米しやすいように改良された雄町米により、2015年には精米歩合20%まで原形精白した『極聖 純米大吟醸 天下至聖』を開発し、販売しています。雄町米の極限精米への挑戦はその後も続けて研究を重ね、時間をかけて丁寧に精米することにより、精度を向上し続けてきました。2017年には精米歩合15 %まで原形精白した『純米大吟醸 楽聖 雄町米 一割五分磨き』を開発し、販売しています。そしてこの度、その精米歩合15%の雄町米をさらに上回り、その半分以上を極限精米した精米歩合7%のお酒『純米大吟醸 MIYASHITA ESTATE』が誕生しました。
なぜ超高精白酒に挑戦するのか
米を過剰に磨くことに疑問を持っている醸造家もいますが、弊社は磨くことによる雑味の変化を経験してきました。飲み比べればわかりますが、やはり味わいの質感が磨けば磨くほど変わってきます。
精米歩合20%、15%と磨くに連れ雑味がなくっていく経験から、7%では雑味がほぼ皆無に近く軽やかで飲み飽きしないまた杯が進む飲用特性に非常に優れたお酒に仕上がっています。
究極の酒造りとは
お米を精米歩合7%まで磨くのに約400時間を要するのはさることながら、その小さな米粒を洗米・蒸しの原料処理して、麹にするのは初めての試みであり、非常に困難さを伴いました。まず、洗米についてはお米の粒があまりにも小さいため今までの精米歩合20%、15%のお米用の洗米用具では洗米ができなかったために新たに7%専用の洗米用具を揃えることにより洗米が可能となりました。また、麹造りにおいてはお米の水分調整が重要ですが、粒が小さいため水分の調整に非常に神経を使い、工夫して目的の水分を達成して、麹に仕上げました。これらは困難さの一端ですが、それを乗り越えて『純米大吟醸 MIYASHITA ESTATE』は醸し出されました。
酒工房 独歩館
『純米大吟醸 MIYASHITA ESTATE』と名付けられたこのお酒のラベルには名前のモチーフとなりました宮下酒造の象徴である『酒工房 独歩館』のスケッチをあしらっており、まさに『MIYASHITA ESTATE』(宮下酒造の財産)です。その風格にふさわしい最高のお酒に仕上がっております。