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2015年10月21日水曜日 山陽新聞 雄町の純米大吟醸 宮下酒造 来月2日から限定発売

2015年10月21日水曜日 山陽新聞 雄町の純米大吟醸 宮下酒造 来月2日から限定発売

 宮下酒造(岡山市中区西川原)は、創業100年の記念商品として、味を良くするため極限まで精米した酒米・雄町を使った純米大吟醸酒を11月2日から限定発売する。玄米を削って残った白米の割合を示す精米歩合は20%で、雄町としては全国でも例がない精白度の高さという。雑味のない米の芯のみで仕込んだ最上級酒として売り込む。

 酒造りでは原料となる酒米を削ることで、雑味のもととなるタンパク質や脂質を取り除く。高級酒では精米歩合10~20%台のものもあるが、雄町は中心部の心白が割れやすいため、40%程度が限度とされてきた。

 今回、精白技術の向上に取り組む米穀卸・片山産業(同桑野)が試験的に精米した20%の雄町を使った。今年2月、115キロを仕込み約180リットルを搾った。商品名は「極聖(きわみひじり) 純米大吟醸 天下至聖(てんかのしせい)」。720ミリリットル(1万6200円)170本、1・8リットル(3万2400円)30本の数量限定で、岡山県内の酒販店などで販売する。

 宮下酒造は、1915年10月創業。宮下附一竜社長は「雄町の深いこくを残しつつ、すっきりした飲み口に仕上がった。最高にぜいたくな酒を味わい、日本酒の魅力を感じてほしい」と話している。

2015年7月30日木曜日 読売新聞 原酒蒸溜ポット 稼働 宮下酒造 ウイスキー参入

2015年7月30日木曜日 読売新聞 原酒蒸溜ポット 稼働 宮下酒造 ウイスキー参入

 ウイスキー市場への本格参入に向け、宮下酒造(岡山市中区)は29日、原酒を蒸留する新たなポットスチル(単式蒸留釜)の稼働を始めた。炭酸で割るハイボールの流行や、NHK連続テレビ小説「マッサン」の影響でウイスキー人気が高まる中、大手がひしめく市場で「県産」がシェアを伸ばせるか注目される。

 ポットスチルは、ドイツにある蒸留設備メーカー製で、周辺設備を含めた投資額は約3000万円。1回あたり1500リットルの蒸留が可能。銅製のため、植物特有の臭いを除去し、殺菌効果もあるという。

 同社は今年、創業100周年を迎えた。記念の新規事業として、2011年にウイスキー製造に着手。焼酎用のステンレス製蒸留器(容量1000リットル)で原酒を作っていたが、商品化に備え、容量が1・5倍になる専用の設備を導入することにした。

 岡山市南区などで収穫された大麦などを原料に、29日から3日間かけて4500リットルを蒸留。アルコール度数を約60%に高め、樽1本分(約450リットル)の「モルト」原酒を作り、最低でも3年は熟成させるという。

 宮下附一竜社長は「岡山の“地ウイスキー”を定着させるとともに、マスカットやブドウなど特産品を使ったブランデーなども商品化したい」と話す。

2015年7月30日木曜日 朝日新聞 「岡山ウイスキー」作り始動 宮下酒造で火入れ式

2015年7月30日木曜日 朝日新聞  「岡山ウイスキー」作り始動 宮下酒造で火入れ式

 岡山地ビール「独歩」で知られる宮下酒造(岡山市中区西川原)は、本格的な「地ウイスキー」作りを目指し、新たに独製の蒸留器を導入し、29日に火入れ式を開いた。3年後には岡山初の地ウイスキーが誕生するという。

 宮下酒造はこれまで、焼酎用ステンレス製蒸留器を代用してウイスキーを試作していた。今回導入したウイスキー用蒸留器は銅製。同社によると、銅は蒸留する時に出る硫化物などの臭いを吸着し、果物や花に似たいい香りを増やす作用がある。

 できた原酒はたるに入れ、3年以上熟成させる。ドイツから指導に来た技術者ボルカー・デイトリッヒさんは「岡山の高い湿度と気温は熟成を促進します。良いできが期待できると思います」と話す。

 原料の麦芽も、県産の大麦中心に仕込んだ。宮下附一竜(ぶいちろう)社長は「丸ごと岡山の地ウイスキーで、新しい蒸留酒文化をつくりたい」と意気込んでいる。

2015年7月30日木曜日 山陽新聞 宮下酒造、ウイスキーを本格製造 専用のドイツ製蒸留器導入

2015年7月30日木曜日 山陽新聞 宮下酒造、ウイスキーを本格製造 専用のドイツ製蒸留器導入

 宮下酒造(岡山市中区西川原)はウイスキー専用のドイツ製蒸留器(ポットスチル)を導入し、29日から運転を始めた。これまでは焼酎用の蒸留器を使って仕込んできたが、年2千リットル以上を目標に本格的に製造する。

 蒸留器は、発酵させた麦汁を投入してアルコールを蒸発させる煮沸釜と、アルコールを冷やして液体にした原液を集めるタンクで構成。麦汁1500リットルを一度に仕込むことができる。高さ4メートル、幅4メートル、奥行き3メートル。投資額は3千万円。

 この日は宮下附一竜社長ら関係者約20人が出席して火入れを行い、蒸留作業に入った。蒸留した原液は樽(たる)に詰めて熟成させる。

 国産ウイスキーはサントリーやニッカウヰスキーといった大手が大半。地方の中小メーカーはほとんど参入しておらず、岡山県内では宮下酒造が唯一とされる。同社は2012年から焼酎用設備で試験的に仕込んでおり、創業100周年を迎えた今年から本格製造に乗り出す。

 試験製造分の販売時期は未定だが、今回仕込んだウイスキーは3年後をめどに販売する予定。宮下社長は「日本酒と地ビール醸造で培った技術を生かしながら、日本人の好みに合った繊細な味覚のウイスキーを造りたい」と話している。

2015年6月21日日曜日 読売新聞 酒蔵探訪@宮下酒造 蓋麹 夜通し守る

2015年6月21日日曜日 読売新聞 酒蔵探訪@宮下酒造 蓋麹 夜通し守る

酒造りは「一麹(こうじ)、二もと、三造り」と言われている。酒米のでんぷんを糖に変える麹の出来が、酒の味を左右するからだ。

 酒蔵には「室(むろ)」と呼ばれる部屋がある。最適な室温と湿度の中で、質の良い麹は生まれる。機械製造が普及しているとはいえ、今も人の手によって丹念に造られている。

 「製麹(せいぎく)」と呼ばれる製造で、最も手間のかかる「蓋麹法」を守り続ける宮下酒造(岡山市中区西川原)を訪ねた。

 蒸した米に麹菌を振りかけ、小分けして蓋(木箱)に盛っていく。小さいものから「蓋麹」「箱麹」「床麹」と製法の呼び名が異なる。蓋麹だとA3サイズほどで、同社の室には多い時で約50個積み上げられる。

 室の内部は温度と湿度が一定に保たれている。とはいえ、場所によって微妙に異なる。全ての蓋が同一条件になるよう、2~3時間ごとに蓋を上下左右入れ替えなければならない。

 「夜通し見守っていなければならないが、そうすることで麹が米粒の奥にまで浸透し、雑味がなく、香りの高い酒に仕上がる」。専務の宮下晃一(37)は説明する。手間がかかるだけに、この製法の麹は、大吟醸や純米大吟醸といった高級酒の仕込みに使用されている。

 創業は1915年。67年に玉野市から現在地の本社に蔵を移した。近くには日本名水百選の「雄町の冷泉」があり、「幻の酒米」と称される雄町米が栽培されている。それらを原料にした「極聖(きわみひじり)」などの銘柄は、やや辛口。全国新酒鑑評会では、県内最多の金賞18回を誇る。

 長年、味を支えたのが備中杜氏(とうじ)の中浜昭夫。備中杜氏組合連合会長を務め、「現代の名工」にも選ばれた。現在は若手社員が技とともに、伝統を守り続ける。薫陶を受けた製造部長の岡崎達郎(たつお)(37)も「丁寧に原料を処理することが、良い酒を造る最初の一歩」と基本姿勢を崩さない。

 夏が過ぎ、秋の到来とともに仕込みの季節となる。毎年、蔵の入り口に中浜がこしらえた神棚に手を合わせ、酒の出来を祈願することから作業は始まる。

 年を越し、大吟醸の仕込みが始まった時、作業を終える「こしき倒し」の儀式の時も、従業員は神棚の前に並ぶ。宮下は語る。「節目、節目に、良いお酒ができますようにと全員でお祈りしている。酒の神様はやっぱりいると思う」(敬称略)

2015年3月20日金曜日 山陽新聞 美咲の3セクが米焼酎22日発売 合併10周年を記念

2015年3月20日金曜日 山陽新聞 美咲の3セクが米焼酎22日発売 合併10周年を記念

 岡山県美咲町の第三セクター・美咲物産(同町原田)は、町の合併10周年を記念した米焼酎を商品化し“誕生日”の22日に発売する。従来の商品「本格焼酎 美咲」のラベルを新調、容量を300ミリリットルから家庭用サイズの720ミリリットルに増やしている。

 農林水産省の「日本の棚田百選」の一つ、同町大垪和西地区で収穫した棚田米と町産ソバを使い、宮下酒造(岡山市中区西川原)が醸造。ソバの風味が豊かで、まろやかな味に仕上げているという。アルコール度は25%。ラベルには「岡山美咲町誕生一〇周年記念焼酎」と記している。

 美咲物産は2013年に「本格焼酎 美咲」を発売。土産用として利用が多いが、容量は300ミリリットルの1種類しかなく、家庭でも楽しめるサイズの要望が寄せられていたという。合併10周年の記念商品を検討していたこともあり、新たに仕込んだ約1千本を新商品として仕立て直した。

 同社は「ソバ風味の米焼酎は珍しく味わい深い。美咲の知名度アップにも貢献したい」としている。720ミリリットルは1200円(税別)、300ミリリットルは800円(同)。美咲物産のほか、岡山市の酒販店などで扱っている。

 美咲町は05年3月22日、中央、旭、柵原の旧3町が対等合併して誕生した。