2008年11月15日土曜日 朝日新聞 原材料:ピオーネの皮 飲んで美白「美オーネ」発売
ピオーネの皮から抽出したポリフェノールを使った「飲む化粧品」を、岡山理科大と酒造会社、健康食品製造会社など9団体で作る研究会が開発した。「美オーネ」と命名し、県内での販売を始めた。研究会は、全国販売も視野に入れ、ピオーネの皮で新たな産業を生み出そうと意気込んでいる。
商品にはポリフェノールの一種「レスベラトロール」を利用した。同成分は最近、肌のしみや心筋梗塞の予防のほか、美白、抗酸化作用などが注目されているという。
開発の中心メンバーを務めた同大学の浜田博喜教授(生物化学)は、長年、同県の特産品を使った健康食品の開発を模索してきた。
同県が収穫量日本一を誇るピオーネの皮に着目したのは4年ほど前。超高圧と酵素の働きで皮からレスベラトロールを抽出し、同大学の学生ら約60人に3週間飲んでもらったところ、ほとんどの人にコレステロールの低下や視力回復などが表れたという。
そこで、昨年1月に結成した研究会で機能性食品としての製品化を検討。保湿効果を高めるコラーゲンを加えるなど、健康面だけでなく「美」に配慮した商品にしたという。原材料には、形が悪いなどの理由で出荷できずに捨てられていたピオーネや、缶詰やワインの製造過程で廃棄物として出た皮を利用する。
50ミリリットル入り750円と高価だが、浜田教授は「2日に1本でよい。化粧品と考えれば高すぎることはない」と自信を持つ。今後1年間の販売目標は10万本。